[受賞] MVE賞を2件受賞しました

松田頼子さん(D2)と東山暉君(修了生、発表当時M2)が電子情報通信学会メディアエクスペリエンス・バーチャル環境基礎(MVE)研究会MVE賞を受賞しました。

MVE研究会は、電子情報通信学会に属する研究会として、メディアを利用した新体験の創出とそこからの新発見、およびVRをはじめとする今そこにない環境によるHI基盤に関連する研究成果発表と、専門家による意見交換の場を提供しています。本賞は、MVE研究会で発表された研究の中から内容、発表等が優秀なものを表彰することにより、研究会活動の活性化を図ることを目的とします。原則として毎回の研究会発表から10件あたり1件程度が選ばれます。この度、松田さんと東山君が3月研究会にて発表した成果が、2023年度MVE賞に選定されました。

受賞論文:

  • 松田頼子・平尾悠太朗・ペルスキア エルナンデス モニカ・内山英昭・清川 清(奈良先端大),
    “バーチャルリアリティ技術を活用したドラマセラピーに関する研究 ~ セッション内容の検討と分析 ~”

    (Abstract)
    ドラマセラピーは、即興劇を通して他者との関わり方を学ぶ集団精神療法です。しかし、セラピストが不足していたり、演技することへの恥ずかしさがあったり、開催場所に制約があったりと、いくつかの課題があります。そこで、本研究ではXR空間でAIセラピストによるドラマセラピー(XRDT)の開発を目指しています。まず、VRChat®内で自作したワールドを使って、XRDTセッションの内容を検討しました。アンケートとインタビューの内容を分析したところ、被験者は他者への思いやりを持ち、自分の考えを柔軟に変化させる認知的共感の向上が見られました。これにより、XRDTセッションの有効性が示されました。

    (受賞者のコメント)

    この度はこのような賞を賜り,大変光栄に存じます.これまでご指導いただきました先生方,研究にご協力くださった方々や研究室メンバーの皆様に深く感謝申し上げます.受賞を励みに今後も研究に精進し,心理療法とVRの融合を図っていきたいと思います.

  • 東山 暉・平尾悠太朗・ペルスキアエルナンデス モニカ(奈良先端大)・磯山直也(大妻女子大)・内山英昭・清川 清(奈良先端大),
    “座位者の座面に対する温度刺激が重心に与える影響”

    (Abstract)
    本研究では、VDT作業による座位姿勢の悪化と健康問題に着目し、温度刺激による姿勢改善手法の可能性を調査しています。従来の物理的デバイスや情報提示手法には、自由度の制限やストレス、注意の必要性などの課題があります。そこで、座面への温度刺激が重心変化と知覚に与える影響を検証しました。実験の結果、冷感を提示した方向に重心変化と傾いている感覚が確認されました。これにより、非侵襲的かつ直接的な温度刺激が座位姿勢改善に応用できる可能性が示唆されました。

    (受賞者のコメント)

    この度はこのような栄誉ある賞を頂き、大変光栄です。先生方のご指導、研究室メンバーの協力なくては成し得ることはできなかったと思います。この場を借りて先生方、研究室メンバーに心より感謝申し上げます。